作品詳細
HISTORICA SPECIAL
黒の牛
やがて、無に至る。
今は昔、急速に変わりゆく時代の中で、自然との繋がりを見失った狩猟民の男は自分の分身とも言える牛と出会う。男は農民となって牛と共に大地を耕しながら、木、水、風、霧、土、火、万物との連なりをただ静かに見つめ、刻み、還る―主演は蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督作品で知られる李康生(リー・カンション)、田中泯が禅僧を演じ、生前参加を表明していた坂本龍一の楽曲が使用されている。禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得て、『祖谷物語-おくのひと-』蔦哲一朗監督が手がけた本作は、長編劇映画では日本初となる70mmフィルムを一部使用し、圧倒的な映像美で誘う「無」への旅でもある。第37回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品作。
監 督 蔦哲一朗
出 演 李康生、ふくよ(牛)、田中泯、須森隆文、ケイタケイ
日本・台湾・アメリカ| 2024| 114min| ALFAZBET、ムーリンプロダクション、ニコニコフィルム|
- ヒューマンドラマ
監督
蔦哲一朗 [映画監督]
1984年、徳島県生まれ。 2013年に地元、徳島の祖谷地方を舞台にした『祖谷物語-おくのひと-』をプロデュースし、自ら監督する。全編35mmカラーフィルムで撮影された本作は、東京国際映画祭を皮切りに、トロムソ国際映画祭(ノルウェー)で日本人初となるグランプリを受賞するなど多くの映画祭に出品され話題となる。また、BFI(英国映画協会)が2020年に発表した各年を代表する日本映画において、2013年のベストワン映画に選ばれる。
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