作品詳細

HITORICA FOCUS
武家の妻の姦通と姦通相手への妻敵討、封建社会の下級武士と彼らが背負う重圧を描き出す
徳川中期、鳥取藩士・小倉彦九郎は、江戸での勤務を終えて愛妻・お種の待つ国許へと向かった。帰国してみると周囲の様子がおかしい。お種と鼓の師匠・宮地源右衛門との不義密通が家中に知れわたっていたのだ。最初はただの噂と微笑む妻に安心する彦九郎だったが、やがて妻から一夜の過ちを打ち明けられ、愕然とする。本当は妻を許したい彦九郎だが、武家社会のしきたりはそれを許さない。覚悟を決めながらもどうしても死ねない、と許しを請い逃げまどう妻を彦九郎は斬った。その後、息子とともに宮地源衛門を斬り仇討ちを果たすが、「仇を討った…」と、つぶやく息子に、彦九郎は「種は、この鼓師ひとりに殺されたとでも思うのか!」と叫ぶ。
監 督 今井正
出 演 三国連太郎、有馬稲子、森雅之、奈良岡朋子、毛利菊枝、金子信雄、東野英治郎
日本| 1958| 95min| –| 現代ぷろだくしょん|
- ヒューマンドラマ
監督
今井正 [映画監督]
1912年、東京生まれ。1935年に京都JOスタジオに入社。入社1年余りで『沼津兵学校』で監督デビュー。戦後、民主主義を楽しく描いた娯楽映画『青い山脈』(1949)が大ヒット。以降、キネマ旬報社ベスト・ワンを『また逢う日まで』(1950)、『にごりえ』(1953)、『真昼の暗黒』(1956)、『米』(1957)、『キクとイサム』(1959)と最多受賞。娯楽色をしっかりと盛り込みながらも戦争や差別や貧困など、社会的テーマを深く掘り下げ、徹底したヒューマニズムと重厚な作風で傑作、名作を連発した。
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