作品詳細
HITORICA FOCUS
加藤泰監督による新しい鼠小僧次郎吉像
大名屋敷に忍び込み、恋人そっくりの御中﨟に見咎められた次郎吉が故郷へ帰るとひどい飢饉で、恋人・おたかは身売り寸前だった。おたかと江戸で暮らそうと、彼女の弟・吉五郎を連れて旅立つが、途中、ふとした誤解からおたかが失踪する。姉を恋しがって泣く吉五郎を哀れに思った次郎吉は、御中﨟のもとに忍び込んで一日だけの姉になってもらう約束を取り付けた。当日二人はひたすら御中﨟を待ち続けたが、しびれを切らした吉五郎が屋敷前まで来て馬にはねられ死んだ。彼女は殿のお声がかかり約束が果たせなかったのだ。それから数年、鼠小僧と名乗る怪盗が現れ、大名屋敷ばかりをねらった。それは、次郎吉の変わり果てた姿であった…。
監 督 加藤泰
出 演 大川橋蔵、香川京子、住田知仁、青山京子、多々良純、沢村宗之助
日本| 1960| 91min| 日本| 東映|
- ヒューマンドラマ
監督
加藤泰 [映画監督]
1916年、兵庫県神戸市生まれ。伊藤大輔作品など無声映画に夢中になり、叔父の監督・山中貞雄を頼り映画界に入る。1951年に監督デビューし、東映を中心に時代劇・仁侠映画を監督する。 1960年代以降は各社で大型の作品にジャンルを越えて挑み、 固定・ローアングル・長廻しの手法と映画原初の力に溢れた活劇で評価を確立した。社会の枠外にいる男女の情熱と生きざまを慈愛と憤怒で物語り、ワイド画面の奥までに活きた人間が横溢する画面を作る凝視の演出力は 世界映画史で異彩を放つ。1998年のロカルノ映画祭での特集上映は、シネフィルを驚愕させる事件となった。 1985年死去。享年68歳。
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