作品詳細
HISTORICA SPECIAL
井上監督が映像化を熱望した藤沢周平の時代小説。52分に凝縮された男女3人の切ない物語
長屋暮らしで筆づくりの内職をして糊口をしのぐ浪人・小谷善左エ門は、同じ長屋に住む船頭の吉蔵から妻のお峯を見張るように頼まれていた。駆け落ちして隠れるように暮らす吉蔵とお峯。「この橋を渡るな」と吉蔵から行動を制限されているお峯は、日々を退屈に感じ始めていた…。善左エ門、吉蔵ら、立場も年齢も違う「男の嫉妬」を突き放すように描きつつ、やがて「寛容」というテーマが祈りのように立ち現れる。晩年の井上作品のランドマークとも呼ぶべき「橋」が最も印象的に描かれている点も必見。
監 督 井上昭
出 演 中村梅雀、柄本佑、中村玉緒(特別出演)、本田博太郎、安藤サクラ
日本| 2022| 52min| なし| 原作:藤沢周平 「殺すな」(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)|
- ラブロマンス
- ヒューマンドラマ
監督
井上昭 [映画監督]
1928年、京都府出身。溝口健二や森一生のもとで助監督を務めた後、映画「座頭市二段斬り」(1965)や「眠狂四郎多情剣」(1966)などでメガホンを取る。
時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇は、第1作「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」(2011)を含む「鬼平外伝」シリーズ4作品から「遅いしあわせ」(2015)、「冬の日」(2015)、『橋ものがたり』の一篇「小ぬか雨」(2017)、そして遺作となった「殺すな」まで計8作品を手掛けた。時代劇を語る上で欠かせない名匠。
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