作品詳細
HITORICA FOCUS
周五郎・田坂・錦之助が描く人情の機微。温かく胸に沁みる人情噺の名編。
山本周五郎の短編を監督・田坂具隆、主演・中村錦之助が緩急巧みに描くオムニバス時代劇。旗本四男坊が一目惚れの恋を実らせるまでをユーモラスに描いた「冷飯」。三田佳子演ずる女の業を情感豊かに描いた「おさん」。時流に外れた職人の矜持と貧しくも明るく暮らす一家の絆を描いた「ちゃん」の三話からなる。三話すべてを演じ分けた錦之助筆頭に、時代劇逆風のなか、スタッフキャストとも量産で培った力を集めて丹念に描き上げた佳編。
監 督 田坂具隆
出 演 中村錦之助、三田佳子、千秋実、新珠三千代、大坂志郎、渡辺美佐子、木暮実千代
1965｜ 178min｜ 日本語｜ 東映｜
- ラブロマンス
- ヒューマンドラマ
- ファミリー
監督
田坂具隆 [映画監督]
1902年広島生まれ。旧制第三高校を中退後、日活に入社。村田実・溝口健二らにつき26年『かぼちゃ騒動記』で監督デビュー。サイレント期にはジャンルを横断した作品を量産する。トーキーでも30年代の日活黄金時代を牽引する作品を連打する。『真実一路』『路傍の石』は山本有三原作をヒューマンに謳い、『土と兵隊』『5人の斥候兵』では兵士たちの人間性を映し出し、ベネチア国際映画祭で賞を得た。45年広島で原爆を被ばく、原爆症の闘病生活を余儀なくされた。製作再開した日活では『陽のあたる坂道』『若い川の流れ』で石原裕次郎の新境地を開き、東映移籍後は『五番町夕霧楼』『ちいさこべ』など風格ある文芸作で佐久間良子や三田佳子らを育てた。
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