10/31[土]-11/15[日]まで
視聴ページ(MIRAIL)はこちら監 督 | 溝口健二 |
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出 演 | 六代目坂東簑助、田中絹代、坂東好太郎、川崎弘子、飯塚敏子 |
制作国 | 日本 |
制作年 | 1946 |
時 間 | 95min |
言 語 | 日本語 |
配 給 | 松竹 |
水茶屋難波屋のおきたは、歌麿に描いてもらった一枚絵で江戸中の評判になった。彼女は紙問屋の庄三郎に恋していたが、彼が花魁の多賀袖と駆落ちしたため、歌麿門下の勢之助と許嫁の雪江にまで嫉妬し、あたりちらした。それは二人の仲を取りもっていた歌麿の筆にまで影響し、彼の絵は荒んだ。歌麿は、美女・お蘭が裸体で鯉のつかみ取りをする絵で復調するものの、以前描いた絵がお上の怒りに触れて投獄されてしまい・・・。
戦中は好みの作品を撮らせてもらえなかった溝口健二監督が、戦後第二作目にして、江戸時代の女とその艶やかな風俗に臨んだ作品。風俗考証には日本画家の甲斐庄楠音を迎え、江戸時代の女たちが直面していた情況や世界観と、時代背景を緻密に演出。江戸時代の社会システムの考証だけではなく、衣裳、髪型など当時の女たちが実際に憧れ、こだわったであろう風物を美しく表現することにより、女性を浮き彫りにするという溝口監督独特のリアリズムは、後の『西鶴一代女』(1952)に受け継がれた。
(1898〜1956)[映画監督] 東京出身。1920年、日活向島撮影所に入社。小口忠や田中栄三の助手を務めた後、23年に『愛に蘇る日』で監督デビュー。30年代には新興キネマ、第一映画、松竹などを転々としながらも、『浪華悲歌』(36)や『祇園の姉妹』(36)など、虐げられた女性たちを徹底したリアリズムで描く作風を確立した。52年に大映の専属となると、『西鶴一代女』(52)、『雨月物語』(53)、『山椒大夫』(54)の三作が、ヴェネツィア国際映画祭で3年連続受賞、溝口の名は世界的なものとなる。1シーン=1ショットに代表される独特のスタイルはフランスのヌーヴェル・ヴァーグの監督たちにも影響を与えた。