10/31[土]-11/15[日]まで
視聴ページ(MIRAIL)はこちら監 督 | 溝口健二 |
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出 演 | 花柳章太郎、山田五十鈴、大矢市次郎、柳永二郎、伊志井寛 |
制作国 | 日本 |
制作年 | 1945 |
時 間 | 67min |
言 語 | 日本語 |
配 給 | 松竹 |
時は幕末、桑名藩剣術指南役小野田小左衛門は、若き刀鍛冶の清音が鍛えた新刀を差して行列警護にあたった。その行列に暴徒が襲いかかる。防ぐ小左衛門の新刀は鍔元から折れてしまった。共頭内藤の助勢で事なきをえた小左衛門であったが、閉門謹慎を命じられる。これを聞いた清音は自決を図るが、小左衛門の娘笹江により止められる。名刀を鍛える道こそ我が道と清音は精進を重ねる。内藤に謹慎の取りなしを頼んだ小左衛門は代償に笹江を望まれたが拒み、彼に殺されてしまう。亡き小野田と笹江のために一心不乱に刀鍛冶に打ち込む清音だったが、ある夜、烏帽子姿の笹江の幻に導かれ一振りの刀が生まれた・・・。
太平洋戦争後期、芸道ものの名匠溝口健二監督が本作で刀鍛冶の道を描く。古来、日本刀は武士の魂とされ、軍国主義者にとってもその精神の象徴的な存在であった。その刀を鍛え上げる刀鍛冶の仕事も、神聖なものであり、その道を極めようとする姿を描くことは軍部にとっては賞賛されるものであった。これまで溝口監督が芸道もので鍛えてきた演出手法で、あたかも清く純粋な魂を鍛え上げるかのように刀を鍛える若い刀鍛冶と、それを支える恋人を描く。
(1898〜1956)[映画監督] 東京出身。1920年、日活向島撮影所に入社。小口忠や田中栄三の助手を務めた後、23年に『愛に蘇る日』で監督デビュー。30年代には新興キネマ、第一映画、松竹などを転々としながらも、『浪華悲歌』(36)や『祇園の姉妹』(36)など、虐げられた女性たちを徹底したリアリズムで描く作風を確立した。52年に大映の専属となると、『西鶴一代女』(52)、『雨月物語』(53)、『山椒大夫』(54)の三作が、ヴェネツィア国際映画祭で3年連続受賞、溝口の名は世界的なものとなる。1シーン=1ショットに代表される独特のスタイルはフランスのヌーヴェル・ヴァーグの監督たちにも影響を与えた。