作品詳細
HISTORICA SPECIAL
ひとりの女の姿に、時の流れを想う夜。藤沢周平の秀作短篇を中村梅雀主演で贈る
冷えきった真冬の江戸。仕事帰りの清次郎は、あまりの寒さに駆け込んだ居酒屋で、厚化粧の女に目を留めた。それは清次郎が幼かったころ、父を亡くし貧しかった母とともに厄介になった店の娘・おいしに違いなかった。見る影もない彼女に、これまで一体何があったのか。清次郎の心は揺れていた…。若くない男と女のどうしようもない恋の顛末を、『殺すな』と同じく脚本の中村努と監督・井上昭のコンビが、江戸時代では当たり前にあったであろう「暴力」を「理性」によって力強く否定してみせ、人間讃歌へと昇華させた。井上時代劇の真骨頂。
監 督 井上昭
出 演 中村梅雀、高岡早紀、山田純大、藤田弓子
日本| 2015| 52min| 原作:藤沢周平 「冬の日」(文春文庫『花のあと』所収) |
- ラブロマンス
- ヒューマンドラマ
監督
井上昭 [映画監督]
1928年、京都府出身。溝口健二や森一生のもとで助監督を務めた後、映画「座頭市二段斬り」(1965)や「眠狂四郎多情剣」(1966)などでメガホンを取る。
時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇は、第1作「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」(2011)を含む「鬼平外伝」シリーズ4作品から「遅いしあわせ」(2015)、「冬の日」(2015)、『橋ものがたり』の一篇「小ぬか雨」(2017)、そして遺作となった「殺すな」まで計8作品を手掛けた。時代劇を語る上で欠かせない名匠。
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