義賊として人助けのつもりが、治郎吉の行いには 思わぬ犠牲者が……伊藤大輔の敗残の美学
11月5日(木)13:30-
チケット情報はこちら監 督 | 伊藤大輔 |
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出 演 | 長谷川一夫、高峰三枝子、岸恵子、進藤英太郎 |
制作国 | 日本 |
制作年 | 1952 |
時 間 | 100min |
言 語 | 日本語 |
配 給 | 松竹 |
上方へ向かう三十石船で鼠小僧治郎吉はスリに遭った女を助けた。女は名をお仙といい、ならず者の兄・仁吉のために売られる身であった。大阪に着いた治郎吉は、仁吉の店でお喜乃という貧しい行商の娘と出会った。彼女の父は江戸でお蔵番をしていたが、そこへ治郎吉が盗みに入ったため職を失い、病める身を娘に養われていたのだ。健気に働くお喜乃に、借金につけ込んだ仁吉は妾になれと強要する。何としてもお仙とお喜乃を救いたい治郎吉だが……。
(1898〜1981)[映画監督] 愛媛県宇和島市生。小山内薫に師事した伊藤は、1920年、松竹キネマに俳優学校を開校するのに同行、松竹キネマ第一作『新生』のシナリオを担当する。24年、帝国キネマから『酒中日記』で監督デビュー。その後独立するも挫折、日活に移籍する。第二新国劇の大河内伝次郎を迎え入れた伊藤は『長恨』(26)、『忠次旅日記』三部作(27)、『興亡新選組』(30)、『御誂治郎吉格子』(32)等々、感傷、絶望、虚無、反抗という主題をアクションで昇華させる作風で娯楽時代劇の金字塔を建てる。以降、京都を拠点に活躍し、『王将』(48)、『大江戸五人男』(51)、『反逆児』(61)など格調高い娯楽時代劇を送り出した。