『シルク』

あらすじ

19世紀のフランス。若き軍人エルヴェは、美しいエレーヌと恋に落ち結婚する。幸せな新婚生活もつかの間、エルヴェは蚕の調達のため、遥か極東の地・日本へ旅立つことに。見たことも聞いたこともない異国の地へ、遠く険しい道のりを進んだエルヴェだったが、案内された小さな村で、取引相手の妻として仕える絹のような肌を持つ謎めいた少女に魅せられる。彼女を忘れられず、命を賭けて何度も日本へ渡るエルヴェ。そんな夫を静かに見守り、変わらぬ愛で彼の帰りを待ちわびるエレーヌ。ふたりの愛はどこに辿り着くのか…？エルヴェが最後の旅を終えたとき、一通の日本語の手紙が彼のもとに届くのだが…。

みどころ

キーラ・ナイトレイ、役所広司など、西洋と東洋の豪華キャストが集結している本作。原作は、かつて映画化され感動を巻き起こした「海の上のピアニスト」で知られる、現代イタリアの重鎮作家、アレッサンドロ・バリッコ。巨人が限りなく美しい文体で生み出した傑作を映像化した監督は、『レッド・バイオリン』でその手腕を高く評価され、日本で多数の人々が鑑賞したシルク・ドゥ・ソレイユの傑作『ZED』の演出も手がけたフランソワ・ジラール。また、音楽は坂本龍一が手がけ、日本サイドの衣装は、黒澤明作品・山田洋次作品等で知られる、黒澤和子が担当するなど世界中の一流スタッフが参加し、息をのむ美しい映像を生み出している。

監督：フランソワ・ジラール

---

1963年、カナダ・ケベック州生まれ。映画・舞台・オペラ・パフォーマンス・コンサートフィルム・コマーシャル・ビデオのインスタレーションなど幅広く活躍しており、これまでのプロジェクトで80以上の国際的な賞を受賞。オスカー受賞の監督作品『レッド・バイオリン』（98）ではアーティストとしての情熱をスクリーンに結晶させ、映画、融合音楽、歴史、ドラマ、ロマンスにおいて確固たる地位を築いた。日本とも縁が深く、シルク・ドゥ・ソレイユの傑作「ZED」や、2016年に再演を行った井上靖の名作小説を舞台化した「猟銃」（中谷美紀主演）の演出を手がけ多くの観客を魅了した。