関連上映
『柳生一族の陰謀』
12/6(木) 15:00-
※関連上映の作品については京都文化博物館にて当日券のみの販売となります。

1978年東映京都(130分)
監督:深作欣二
出演:萬屋錦之介、松方弘樹、西郷輝彦
言語:日本語
字幕:なし

【作品解説】

元和九年五月十一日、徳川に第将軍秀忠が江戸城大奥で病死した。その不審な死の影をひきずるように、三代将軍の座をめぐって、秀忠の長男・徳川家光と、秀忠の寵愛を受けた次男・駿河大納言忠長を擁立する派閥争いの火蓋が切られた。家光を推す松平伊豆守は、今後の策を得るために、将軍家剣法指南役の柳生但馬守宗矩と忠長打倒を画策する。忠長派も、土井大炊頭を筆頭に家光の失脚を狙い、両派は激しい攻防を繰り返していった。そしてついに但馬守ら一派は、敵の仕業にみせかけるため、十兵衛と縁の深い根来衆を使って、わざと家光を襲わせるのだが・・・。
当時の東映は、プログラム・ピクチャーとして、時代劇から任侠、そして実録といったジャンルの映画作品を送り出してきたが、同社の創造する日本的アクションは、行き着くところまで来ていた。こうした流れの中で、それまでは、企画の行き詰まりやコストの高さから敬遠され続けてきた時代劇だったが、『仁義なき戦い』(1973~1974)『新仁義なき戦い』(1974~1976)で、前例のないエネルギッシュな人間の闘争を描ききった、深作欣二監督の初時代劇作品という話題性と、主演の萬屋錦之介の成熟した演技を目玉に、時代劇の復興という形で、東映にとっては『宮本武蔵・巌流島の決斗』(1965)以来、12年ぶりの本格時代劇として、本作が誕生することとなった。深作監督は、元は脚本家志望で、京都での時代劇の仕事を志望していた。学生時代から時代劇に興味を持っていたが、戦後のGHQの日本映画の統制によって、事実上時代劇の製作が禁止されていた時代でもあったため、自身が考えるような暴力的なアクションは期待できず、さらに東映入社後は、時代劇全盛期ではあったものの、今度は勧善懲悪を主題とした時代劇が主流となったため、逆に現代劇へと目を向けたという。しかし代表作となった『仁義なき戦い』撮影中に、「壮大なロマネスクの中でホットな暴力性をもたせてみたい」という欲求が生まれた。これはそのまま本作を製作する動機ともなり、御家騒動という、一見使い古されたテーマを掲げながらも、「男も女も老人も子供も、身分の貴賎や職業性別を超えて、己れの信ずるままに行動し、闘争するドラマ、イジケたりシラケたりせずに、懸命に生き、そして戦う大ロマン、そんな、骨太い人間による、骨太いドラマを作りたい」と言った深作監督の思いが結実する作品となった。久しぶりの時代劇ということで、東映のスタッフ陣営も力が入り、特に出演者は、大部屋俳優にいたるまで、熱気のこもった現場であったと言う。無論、主演の錦之助以外にも、三船敏郎、松方弘樹、西郷輝彦、千葉真一といった、骨太な役者陣が脇を固め、監督のいう「男のロマン」が如実にスクリーンに焼き付けられている。