関連上映
『七人の侍』
12/5(水) 13:30-
※関連上映の作品については京都文化博物館にて当日券のみの販売となります。

1954年東宝作品(209分)
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、志村喬、津島恵子
言語:日本語
字幕:なし

【作品解説】

周囲を禿げ山に囲まれ、枯れた土地がどこまでも広がる貧しい農村に、麦の刈り入れが終わる頃、決まって野盗が襲ってくる。戦っても勝ち目はないし、このままでは村中皆殺しである。長老の決断により、村を守る為、侍を雇うことになった。村人達の眼鏡にかない、七人の侍がやってきた。その中の一人、歴戦の経験者勘兵衛の指導の下、村の防衛体制が整えられ戦闘訓練が始まった。当初、七人の侍に不安を覚えていた村人達も次第に理解を示し始めた頃、今年の刈り入れが終わろうとしていた・・・。
時代劇は尾上松之助に始り、マキノ一党から伊藤大輔へ、そして山中貞雄ら鳴滝組の手で次々とその概念がぬりかえられ、新たな息吹が吹き込まれてきた。そして黒澤監督は本作で時代映画に新たな一頁を加える。「日本映画は要するにお茶漬サラサラでしょう。もっとたっぷりご馳走を食べさせて、お客にこれで堪能したと言わせるような写真を作ろう。これがこの仕事の始まりですね」。グリフィスを、また、西部劇の神様と言われるジョン・フォードを敬愛していた黒澤監督は一大スペクタクルを時代劇で企画する。脚本は『生きる』のシナリオトリオ黒澤明、橋本忍、小国英雄が共同執筆、映画においては純粋無垢のリアリズムこそ、観客を惹きつけずにおられない力の源泉という監督の持論の下、映画の背景となる戦国時代の百姓とその共同体の構造、武士と浪人の実態を具体的に掘り起こし映画に奥行きを与えている。殺陣と実際の殺し合いの緊迫感の違い、日本刀はどれだけ斬れるのか、職を持たぬ浪人達とはどうやって生活をしているのか、着衣のやれ具合までいちいち問題にして、解答を与え、それを明確に表現した。7人の侍、百姓達それぞれのキャラクターも充分に描き込まれ作品の太い骨格となり、マルチ・キャメラ・システムと望遠レンズを駆使した映像表現、編集センスが綜合され痛快スペクタクル時代劇が誕生した。本作は、そのパワー、スケール、リアリティとその映像表現において、後に“黒澤アクション”として愛される作品群の基盤となった。米国の映画界も注目し、6年後、本作の脚本家3名がジョン・スタージェス監督の大型西部劇『荒野の7人』のクレディットタイトルに原作者として登場、日本の脚本家のハリウッド進出の足がかりを築いた。(名作映画リクエスト第1位、キネマ旬報賞第3位作品)